人魚と恋

料理の練習



私ってよく、考えなしに喋っちゃう。
学校ではやっぱり気を付けるけど、学校を出るともうだめ。思ったことだだ漏れちゃう。


航くんは私について食材売り場に行くようになって何日か過ぎた。
彼はいっつもお弁当ばっかり。

ある日気になって聞いて見た。


「航くんは自分で料理とかはしないの?」

航くんの顔があからさまに固まる。
別に、料理できるに越したことはないけど、できなくてもいいと思うけどな。

どうやら彼のお母さんは彼に料理を教えたりせず、ただお金だけ渡してるみたいだ。なんだかそれって寂しいなあ。でもそうなったらやっぱりなかなか自分からやろうとは思わないのかな。

でも彼氏が料理上手だったりすると、いろいろ楽そうだな〜…
料理というか家事全般得意な人だと、わたしがやらずにすむのか〜いいなあ〜…


今日のメインの食材を選んで横の彼を見る。だいぶ落ち込んでいるみたい。
何もかも完璧な必要ないと思うけど…
完璧主義者なのかな?

そのあとは他愛ない会話をして帰った。


帰ってから、
あ、これを機会に料理の練習とか始めちゃったらそれは私の責任かも。でもそんなこれがいいこれがいいを全部できるようになってたら、切りが無いから大丈夫か、ふー焦ったあ。
と思って、安心した後はビールを飲んで幸せを満喫してた。
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