人魚と恋

甘いお菓子



久しぶりにゆうさんに会った。
正確には、会いに行った。


前話してて、甘いものが好きって言ってたから、生チョコやらクッキーやら、色んなお菓子作って、ゆうさんに少しでも気に入ってもらえるように可愛い箱にラッピングして、持ってった。


流石に俺だって、アポなしで行ったりはしない。事前に了承は得た。
朝メールもした。朝のメールは返っては来なかったけど…



でもメール送った以上行かねば、と思い、ゆうさんをロビーで待ってた。
ゆうさんは約束より2、3時間遅れてきた。
学生じゃない、社会人で、それも今凄く忙しいのは分かってたから何も言わなかった。それに、やっと来たゆうさんが凄く疲れた顔して前より痩せてたから、なんで遅れたのか、とか聞いちゃいけないかな、と思った。
それに、ゆうさんは会うのを忘れてた。
それは、この際いいと思った。

ゆうさんの疲れた顔を見て、早くこれを渡して、一刻も早く寝て欲しい、そう思った。


でも、渡した時の反応が可愛すぎて、ついつい渡した後も話をしてた。
わかれるのも寂しくなって、抱きつきそうになったから、さっさと帰ってきた。



今日の自分の選んだいろんな選択は、本当にあってたのかどうか自信ない。

新しい学校になってから、ゆうさんが少しおかしくなってる気がする。

だから、そんなゆうさんを、ちゃんと支えたいけど、どうしたらいいか、分からない。



とりあえず、ちょこちょこゆうさんを待ち伏せて、甘いものでも渡そうかな、と思った。
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