人魚と恋



挿絵をじっと見つめる。もし、ゆうさんが最後に見たものがこれなら、これを見て一体何を考えたんだ…


ずっと挿絵を見つめていると、ゆうさんと話したことが思い出されてきた。

ゆうさんは、この絵に似てる海を見つけたと言っていた。そこに、泳げるようになったら行く、と。それこそ、この人魚のように、泳げるようになったら。


何となく、その似ていると言う海にいるのでは、という考えが頭をよぎる。
似ている海…なんと言っていたっけ。



…『◯◯に似てる海があるんだけどね』

ゆうさんの声が蘇ってきた。◯◯だ。
ここからは少し遠いが行くしかない。
俺は◯◯に向かった。
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