YUME話
第一話
暑い、暑い8月。なぜこんなに暑いのだろう。まだ幼さの残る少年たちと歩きながら、私はため息をつく。

 一人の少年がふいに列から離れた。


「どうした?」

「子犬です。一匹だけ。」

そう言いながら、彼は子犬を抱き上げた。

「かわいそうに。捨てられたのでしょうか。こんなに幼いのに。」

私は思わず吹き出した。私から見れば、彼らも十分幼い。犬はよほど寂しかったのか涙目で彼の腕の中にいた。

「飼っていいですか?」


不意に彼は言った。

「この犬かわいそうです。飼ってもいいでしょうか?」

私は悩んだ。




「お前が飼うのか?」

「はい」















「やめておけ。また、かわいそうな思いをさせてしまう。」
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