先輩、私恋してるっぽいです。



先生の後ろを歩いて着いた所は相談室だった。



「吉瀬、最近はどうだ?…まだ辛いか?」



……やっぱこれか。

まあ予測はついていたんだけど。



「…はい」



高1の春、突然お父さんが亡くなった。


私が小さかった頃は、理想の父親ってほど優しくて遊んでくれて。


だけどかなり前から暴力的になっていって、


…だから私が思うお父さんは、そんなに良い印象じゃない。

小さい頃の思い出も、亡くなった後にお母さんに教えてもらったくらいで、実際はそんなに覚えてないからだ。



……まあつまり、毎日サボるほど辛くないんだけど、そう思い込んでる先生達には辛いと言えば特別にサボることが出来る。


< 13 / 43 >

この作品をシェア

pagetop