先輩、私恋してるっぽいです。
私もキレーになりたいっすね。
「あれって涼じゃね~?」
「ん?…涼だ。なんかめっちゃ頑張ってる し。すごいわー」
「陽奈はもっとやる気を出せ」
「あはは…」
自分でも驚くほどやる気無い。
なんだろうなー…
頑張る理由がほしいよね。
「涼頑張れー!」
棒倒しに出ている涼を珍しく大声で応援する架乃。
架乃のその純粋な姿初めて見たかも。
「頑張れ涼!」
つられるように、私も少し声を張って応援した。
その時、涼が相手方の棒を見事に倒して笛が鳴った。
…勝った!
涼は普段見せない笑顔で私達に向かってガッツポーズを決めた。