先輩、私恋してるっぽいです。
それなのに、なんだこの本人の客観性。
……先輩はやっぱり変な人だ。
出場門に、私と先輩を含めた選抜リレーの出場者が並んでいる。
たまたま横に並んだ先輩は、別人のように見えた。
……遠いなって感じる。
「選手入場ー!」
「「わー!!!」」
誰かの一言でグラウンド中が更に活気溢れ、選手が続々と入場していく。
なんでか私もその1人。
若干の気だるさを残したまま、指定された位置につく。
……どうやら先輩はアンカーらしい。
赤色の斜めがけの襷を渡されていた。
……かっこいいな、どこまでも。
私と同じ赤色だ。
…まあアンカーの人はみんな赤色の襷だけど。