ベランダから見える星
「早く帰ろ−ぜ。」


今にもスキップしそうな音緒の後ろを私はついていく。


マンションにつくまでご機嫌だった音緒と,なんとか調子を取り戻した私。


そう,“つくまで”“だった”


マンションについた途端,そんな私たちはひっくり返る。


突然,音緒が足を止める。


『どうしたの?』と音緒の表情を窺うと視線が一点から動かない。


その視線の先を追ってみる。


………なんで?


この幸せな毎日が続くことを願ってた。


だから…もう関わりたくなかった。


向き合わなきゃとか言ってても思ってても,逃げてたの。


この幸せが崩れちゃう気がして。



「お久しぶりです,姉さん。」


なんでそっとしといてくれないの?


私はただ…普通に幸せでいたいだけなのに。



「お話よろしいですか?」


そう微笑んだ…京介の顔がものすごく嫌いだった。


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