俺、兄貴になりました

夕飯は戦争




アイスを買って食べながら帰る。




10人も集団で歩いていれば大所帯だし、すごく目立つ。



すれ違う人がこちらを見ていくのが分かる。




「見て!あの男の子たちかっこよくない!?」


「うん!すっごくカッコイイ!アイドルグループとか?」





そんな女の子の声も聞こえてくる。



確かに、この弟達はイケメンの血筋なんだろうな。



全員が整った顔立ちをしている。




羨ましいったらないぜ。





おっと、帰りに夕飯の買い物していかなきゃな。





「スーパー寄ってくぞー。今日何食いたい?」



「ハンバーグー!!」



と、慎が言うと



「オムライスだろ!」


と尚が言い返す。



「いやいや、唐揚げだって!」



さらに言い返す慶。





この3人は甘えん坊だからな。




「はいはい、順番に作るから。今日はハンバーグでいいか?明日から順番に何が食いたいか聞いてくから」





ということで、ハンバーグに決定。





スーパーに入ると、小学生二人は一目散にお菓子コーナーへ向かい、中学生組は試食コーナーへ。




全く、ホントガキだな。




高校生組…ダブル双子は俺の後をついて回ってくる。



双子を二組連れて歩くだけでも結構目立つな……。




片方は変装してるからまだマシだけど。





「兄貴、このひき肉安いよ」


「マジか、サンキュ。えーと、どっちだ?」


「恋です」


「恋か。ありがとな」




くしゃっと撫でると、にへっと笑う恋。




高3に見えないくらい可愛い、とか思う俺って、もうヤバイくらい弟を溺愛してると思う。


将来ブラコンになってしまう。




でも、早く恋と蒼を見分けてやりたい。





「兄貴が俺らを分かろうとしてくれてるのは分かってるから」



え?



「そーそー。だから兄貴が罪悪感とか持たなくていいし。分かろうとしてくれてるだけで俺ら嬉しいから」




俺の心の中を読んだように言った双子に、俺はたまらなく嬉しくなった。






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