薬品と恋心

どうして謝るのかわからなくてティアは首をかしげた。



「それ出したのオレなんだ。危険なことをさせてごめん」



「いえ、謝らないでください。私が選んで引き受けた仕事です」



報酬が良かったし、一度行ったことがあるからと引き受けたのは自分なのだ。


ジーニアスに責任はない。



「そ、そうか…あ、採取人といえば、ちまたで噂の採取人がいるだろ?正体不明の」



「幻の採取人ですか?」



ティアは首を傾けてジーニアスを見た。


「知ってるのか。ま、有名だしな。実ははじめ、その人物がティアを伝言役に使ってるって思ってたんだよな」



違ってよかった、とジーニアスは笑った。


< 103 / 421 >

この作品をシェア

pagetop