ママのあたしが恋をした。
「胡桃…嘘ついててごめんね…」




「それは、いいんだよ…」




「胡桃と友達になれてよかった…ありがとう。胡桃。」




「そんなの当たり前じゃん!私は香流の力になりたいよ。」




こんな心から優しい女の子は胡桃しかいないと思う。




「香流!姫ちゃんがいるからって恋をしちゃダメなわけじゃないんだよ?」




え…?




「そりゃぁ姫ちゃんだって香流がいなきゃ生きてけないよ…?それに姫ちゃんは本当のお父さんじゃなくても、姫ちゃんを心から愛してくれる人だったら幸せだと思うなぁ。」




姫の幸せ…




あたし、姫は本当のお父さん以外の義理の父親なんて嫌だと思ってるって思ってた。




でもそんなんじゃない。姫を心から愛してくれる人なら姫の父親になれるんだ。




「あたし、和登のこと好き…」




「うん、知ってたよ?香流も幸せになっていいんだから。香流の幸せは姫ちゃんの幸せ。」




あたしが幸せじゃないと姫も幸せじゃないよね。




「でも、和登キスしてた。鶴ヶ崎さんと付き合っちゃったのかな…」




< 52 / 330 >

この作品をシェア

pagetop