独り言<あるOLの一日>
服だけじゃなく靴もやはり有名靴店やデパートのバーゲンを覗いて妥当なのを探している。

価格は、大体五千円から一万円前後だ。

バッグは一応、ヴィトンとプラダ、コーチくらいは持っている。

これでも一応社会人生活が長い。

中には、元彼からのプレゼントもある。

 『絶対使わない!』

なんて言えるほど確固たるポリシーなど特にない。

 『物に罪はないわよ、それに勿体無いし』

‥と真奈美はどこまでも中途半端だ。

あとは自分で買った物もある。

もちろん、カードの分割払いである。

だが、最近真奈美は

『そもそもああいう、高級ブランドバッグは、運転手付の自家用車に乗るようなお金持ちが持つ物だ』

と考えるようになった。

負け惜しみ?!‥ともいえる。

しかし、正直なところ、狭いワンルームマンションに住んで、満員電車に揺られて、自分自身よりもカード払いで買った高級バックがもみくちゃにされないように気を遣いながら通勤している事に嫌気がさしてきたのである。

それで近頃は、ごく普通のカバン屋さんで分相応なのを探すことにしている。

今日のバックも一応皮製のショルダーバッグだが、

価格は11,800円也。

安いのか果たして高いのか?

妥当な値段というのは、自分が納得すればそれでいいのである。
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