もっと君と   愛し合えたら
次の初夏がやってきた。

ダイビング・シーズンだ。

「野瀬さん、タオルが乾いたか見てくるわ。」

「ありがとう、頼むよ。」

私は旅館の廊下へ出た。

屋上が物干し場になっていた。

外階段を上がった。

カンカンカンと足音が響いた。

今週末も伊豆へ潜りに来ていた。

屋上からの眺めが最高だった。

海が近くに見えた。

「この風、気持ちい~!海からの風ね。マイナスイオンがたっぷり浴びれるわ。」

と誰かが私と海をさえぎった。

タオルが何枚も風になびいていた。

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