もっと君と 愛し合えたら

「夕美さん、何で泣いているんだ？」

私は彼の言葉にハッとした。

涙が流れていたのに自分でわからなかった。

「俺、そんなに強くした？」

「たくみのおバカ。」

私は彼の腕から離れた。

「たくみ、いつも激しい。どうして？」

「わからない。自分の思うまま、欲しいまま抱きたいんだ。夕美さんの全てを自分のものにしたい。」

「でもいつだって私はあなたのものなのに、心も身体も全て。」

「それを実感したいんだ。夕美さんの前では自分で自分を止められない。」

「他の女なら止められるの？私とは違うの？」

「どうしてそんなことを言うんだ？」

「私はたくみを愛しているから、いつでもあなたを想っているから、他に女がいても私の気持ちは他の誰にも負けないわ。それが言いたかったの。」

さよなら

私のたくみ

と私は彼の目を見つめながら心の中でつぶやいた。

「もう帰るのか？いつもより早いじゃないか？」

「たまには早く帰ってもいいかもね。寂しいの？私が少し早く帰ったくらいで？」

「んなわけないじゃん。また会えるんだし。俺は絶対離さない。俺も夕美さんを愛している。この気持ちに嘘はない。」