AfterStory~彼女と彼の話~

├雨の日の出来事(吉野千明×鷹野玲二)

├雨の日の出来事(吉野千明×鷹野玲二)


 スマホに届いたメッセージを表示させると、玲二さんからだった。

『ちゃんと寝れたのか?玲二』

 もう私は小学生じゃないし、立派な社会人なんだけどなぁ。

 普段の玲二さんは態度も口調も厳しいけれど、こうして気にかけてくれるのが嬉しいな。

「えっと…、『大丈夫です。玲二さんたちが外で警護をして下さったので、安心して寝れました。もうすぐこの部屋とお別れだと思うと寂しいですが、これから玲二さんたちと過ごせるのが嬉しいです 千明』っと」

 メッセージを返信して、スマホをバックにしまう。

 私を警護する株式会社ホークスのSPチームのリーダーである鷲宮さんから、まだ私を狙う組織の壊滅が終わっていないため、それまで(壊滅)は玲二さんの実家にお世話になることが正式に決定ということで、私が住んでいる(いた?)アパートは解約となるので片づけをしなければならず、昨日から2泊3日の間は特別にアパートに帰宅することが出来た。

 玲二さんの計らいで警護はアパートの外ですることになり、私は集中して荷物の断捨離が出来る。

 洋服やバックなどはいいけれど下着もあるので、それを見られたり触られたら嫌なので部屋には私だけ泊まることになった。

 明日の天気のことが気になるし、帰宅したら少しでも洗濯をしておこうかな。

 階段を降りて玲二さんのもとに行くと、既に普通乗用車はアパート前に停車していた。

「おはようございます」
「おはよ。遅刻しないように行くぞ」
「はい」

 勤務先の角井百貨店には玲二さんたちの送迎が続いていて、普通乗用車に乗り込むと玲二さんは鷲宮さんと白鳥さんに移動を開始することを報告し、普通乗用車を走らせた。
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