俺のバカな後輩
学校の壁、というからには、他者が進入できないようにそこそこ高く作られていた。
息づかいを見れば、小さく漏れる声から女であることが分かる。
男ならまだしも、女でこの壁登るだなんて、無駄に勇ましい。
登れたとしても、飛び降りるのにいささか躊躇うだろう。
登りきった女は、どういう行動を見せるのか。
少し興味が沸き、壁の向こうを見据えて数秒。
現れた人影は何の考えもなしに、そのまま飛び降りてきた。