愛してるの伝え方



「……」

学校に着くと、学生は瀬戸くんを指差してコソコソと話している。
瀬戸くん、何かしでかしたのかな。

だけど瀬戸くんは周りなんて一切気にせずに私に話しかけてくる。



「瀬戸!」

教室に入ると、藤岡さんが瀬戸くんの名を叫んだ。

「なに? おはよう」

「あのさ、これ、あんたよね!?」

藤岡さんが雑誌を広げる。
そこには街を歩く瀬戸くんの姿が大きく写されていた。
相変わらずオシャレだしイケメンだ。

「へぇ。瀬戸くんモデルにでもなったんですか」

「え、違う違う。読モっていうのかな。
街歩いてたら声かけられてさ」

「瀬戸すごいじゃん!」

「そんないいもんじゃないよ。
それ載ってからいろんな事務所に声かけられるようになったし」

「事務所って、モデル!?」

「まぁそんな感じ」

瀬戸くんが曖昧に笑った。

「瀬戸モデルになるの!?」

「なるわけないじゃーん。
俺はミヤちゃんを見つめる時間をこれ以上減らすわけにはいかないの」

背中がぞわっとした。
見つめるってなに。

「朝礼始めるぞー。早く座れよー」

やる気のなさそうな、いや、事実やる気のない担任が教室に入ってきた。



瀬戸くんが雑誌に写されている。

だから、今朝から周りがうるさかったのかな。
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