愛してるの伝え方
朝学校へ行くと、靴箱に上靴があった。

誰が隠したのか、何故そんなことをしたのか、何故戻ってきたのか。

少しだけ気にはなったけど、気にした所で何もわからないから、考えるのをやめた。



ノロノロと靴を履き替えていると、後ろに誰かの気配がした。

振り向くといたのは瀬戸くん。

なんだか…いつもと雰囲気が違うけど。

「早く退いてくれない? 邪魔なんだけど」

「あっと…すいません」

私の体が瀬戸くんの靴箱の前にあったみたいだ。
移動すると、彼は何事もなかったかのように靴を履き替える。

いつもならあんな冷たい言い方はしない。
いつもならもっとうざいくらいに構ってくるのに。


瀬戸くんが靴を履き替えて教室に向かおうとした。
結局私を見ることさえしなかった。

「あの、おはようございます」

すごく珍しく私から挨拶してみたのだけど、彼は何の反応もなし。
挨拶すら返すこともなく、私の横を過ぎ去った。


彼の変貌に驚きながらも、焦っている自分もいた。

そういえば昨日の帰りも変だった。
私は昨日彼を怒らせる何かをしてしまったのかもしれない。

…それが何かはわからないけれど。


心臓がキュッとして気分が悪い。
こんな感情初めてだ。

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