世界一遠距離恋愛
花奏はあたしと歩いて病院に行くのが嫌らしく、今日はバスに乗っている。あたしのお金を払ってくれるとまで言った。そこまでしてバスに乗りたいのかな…とは思ったけど、花奏の家もお金持ちだからバス代なんて大した出費にならないのだろう。
「病院に着くまで楽できるなんて幸せだよ…絵里子と歩くとなったら走らなきゃいけないし違う所曲がるし…ホント大変。」
「うるさいな!悪かったよバカで!」
「ふふっ、そんな怒らないでよ。…あーあ、絵里子が行くと私透には邪魔者扱いされちゃうのかなぁ。」
花奏は車窓から流れて行く景色を見つつ、寂しそうに言う。
「されないでしょ?あんなに花奏にベッタリなんだから。」
「ふふっ、どうだろうね?私以上に大切な女の子ができちゃえば私とはそんなに話さなくなるんじゃないかな?」
花奏はしばらく黙って何かを考える様な仕草を見せると、再び口を開いた。
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