愛された先パイ









梓さんが死んだのはまあ悲しいけど。

ヒヨコと帰れるようになったのは嬉しかった。



校門で俺を待つヒヨコを見ると、自然に笑顔がこぼれた。



「ヒヨコっ!」

「先パイ!!」



俺のクラスから噂は流れ、ヒヨコが俺と付き合っていることは、学園中の皆が知っている話となった。

でもヒヨコは一応俺のことを「先パイ」と呼んでいた。



「そういえばヒヨコ。
クラスに友達出来た?」

「・・・実は、まだなんです」

「そうか・・・」

「最初は物珍しさからなのか、話しかけてくれる子はいました。
でも、日に日に少なくなっていってしまって。
今では誰も話しかけてくれませんね・・・」

「そうなんだ・・・」

「自分から話しかけようとしました。
メアドも頑張って交換しました」

「・・・ならその子友達じゃない?」

「その子、先パイのことが好きだったみたいで。
私が先パイと付き合っているということを聞いた次の日、その子は私に話しかけてはくれませんでした。
メアドも何も言わずに変えてしまったようで・・・」

「・・・何、それ」



俺が好きだから、俺と付き合うヒヨコが嫌いになった、だと?



・・・んなの、許されるかよ。

信じられねぇよ。




ヒヨコヲ傷ツケル奴ハ、許サナイ。






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