Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
そんな態度が気に入らなかったのか、暁さんの雰囲気ががらりと変わった。
「……ふぅん。まだ、そんな余裕があるんだ?」
先ほどまでの笑みをすっと消して
「でも、そんな顔で言われても全然説得力ないから」
冷たい視線を向けたまま、私の方へと手を伸ばしてくる。
「……っ!」
咄嗟にその手を払ったけれど、彼女の動きは速かった。
体が動いたと同時に揺れた髪を反対の手に掴まれて
「これでも、白を切るつもり?」
あ、と思った時には遅かった。
そのまま強く横に引っ張られて、髪に留めていたピンが弾け飛ぶ。
───やばい!
そう思ったけれど、もうどうすることもできなくて。
まるでスローモーションのように、ゆっくりと流れていくハニーブラウンを目で追いかけていた。