氷と魔女《specialstory 完結》
≪第6章≫

女神の血を引き継ぐ者たち

「アンゲルス・ウィング‼︎‼︎」




私が杖を掲げ叫ぶと、背中から漆黒の翼が現れた。




はは…
美しいほど残酷な翼だね。





私はそれを器用に扱って上へ上へと飛んでゆく。





「待て!千草…!
お前、死ぬのか…?」

吟が下から呼び止めた。



「まあね。
その前にやることがあるけどね…」




私は5mほどのところで飛ぶのを1回やめる。




「我の体に宿りし『女神の血』よ……!
今こそ、開花させよ‼︎」




私が思いっきり杖を振ると、空から耐えられないほどの眩しい光が降り注いでくる。


まぶし……!


でも…確実に、来る…!







「やっと、気づいたのね…千草……」


目の前には、純白の翼を持つ赤髪の女性がいた。

綺麗……

「あなたは……?」

『私は太陽の神に愛された魔女。
けど2000年前の戦いに敗れ、存在が消え去った。
今から来るものたちは、あなたの祖先にあたるうちのなかの、運命の数人。

その中でもあなたと私は特別だった……』



「特別…?」



『そう。1000年に1度生まれる私たちの血族の中でも、特に特別なのが11人いた。
その内9人は惑星…太陽系惑星の力を持つ者たち。
そして後の2人は…

まるでコインの表裏。トランプのキングとジョーカー。
間反対で、最も特別な2人…
それが、太陽と月。
あなたは月の女神に愛されし魔女なの』



「月の女神…?」



『そう…月の女神に。月の女神には他の者にはない特別な力がある。
それは、革命を起こす力。
何万年も前に起きた、女神の羽をもう1度復活させる力…!
あなたなら女神の羽見つかるわ』


「どうすればいいの…⁉︎」



太陽の魔女は、慈愛満ち溢れた笑顔で言った。


『長く説明はできない。
私はここに長くいられない…
1つだけ、ヒントが……
真実の愛を見つければ、必ず女神の羽は復活するわ』



そう言って、太陽の魔女は消えた。


はは……真実の愛なんて、そう簡単に見つからない。

所構わず愛したってダメなんだ。



「千草……時が来たわ」


「……今度は誰…?」


『私たちはあなたの祖先』


そう言って、私の前に9人の純白の翼を持った美しい魔女たちが並んでいた。


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