氷と魔女《specialstory 完結》
「も、もしかして…さっきから驚かしたりしてたのって……」


口をパクパクさせる。

いや…確かに今日は…10月31日、だ…


全くハロウィン意識がなかったよ。



「そーゆうこと。
はい、トリック・オア・トリート!」


早く早くーと急かしてくる。


私はため息をついて、自分が勉強の合間に食べていた小さいチョコの1つを渡す。

「ありがと!チョコ大好きなんだよね♪」


そう言って夢奈は私の部屋を出て行った。


入れ替わりで、吟が入ってくる。

「あ…吟も、もしかして言われたの?」



まあな…と吟はつぶやく。

まあ、吟はお菓子好きだし、すぐ渡せたのか。


「で。なんか用?」



私が聞くと吟は決意したようにうつむいていた顔を起こした。


「……トリック・オア・トリート」

「お前もかよっ⁉︎」


………お菓子好きにはたまらないハロウィン。





「みんな、何歳なのよ…」





千草は陰で、ため息をついていた。



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