氷と魔女《specialstory 完結》
今日もなぜ2人で歩いているかというと、



私達以外の3人は『実家』に帰っているせいだった。




2人暇だね、ということで


遊園地に行こうという話になったのだ。




2日程前から皆は実家に帰っていて、


今日の午後6時ごろに…皆で遊園地で会う予定。



そこで閉園の9時まで皆で遊ぼう…という流れだ。






「…今日は楽しもうな?

そんな顔するなって」




吟の手が私の肩にポン、と手を置いて、少し先を歩き出す。




その後ろ姿は…魔界にいた時とは印象が違かった。



彼の金髪は真っ黒になった。

身長もグンと伸びて、180程になった。

服装も今風だけど、チャラチャラしてないインテリ系の服装。




口調の悪ささ除けば、


優等生って感じなのだ。






その『変化』に私は、まだ戸惑う時がある。




吟は変わって、もう新たな道を歩いている。




けど私は…全然前になんか、進んでいない。





まだ魔界にいた時のところにとどまってる。



あの頃の皆を追いかけている。




まだ変われていない私は置いて行かれないように、




懸命に足を動かす日々。






「…そうだね、行こう、早く!」






けど、きっと無理だったんだ。




私はずっと、吟が好き。



世界が変わっても。





けど、吟は魔界にいた時のことを覚えていない。






前…見ちゃったんだ。





AAクラスの女の子と、手を組んで歩いているところ。





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