氷と魔女《specialstory 完結》
ドアが閉まると、ドアがあった場所が本で埋め尽くされる。

帰る時は…
魔法でどうにかするしかないのか。


部屋の中央に立ち、360度で囲まれてる本を見回す。



本当に、すごい。

分厚い本だらけ。


この図書室は、円の形になっている。

円の形なんて、そうそうない。

円の形にするためには、本の入れ具合も色々考えなきゃいけないしね…


それに、この図書室の構造は、多分……



「……スライド」




ガゴッ



どこからともなく、何かがずれる音がした。


ガッガッガッガッガッガッ



そして、次はテンポ良くずれる音がする。



…ずれるのは、音だけじゃなかった。





目の前の棚が奥に引っ込み、右の棚の後ろへと体を滑らしている。

そして、その奥には、さらに図書室があった。





『スライド』はやっぱ、身近なところで便利だなあ、と思う。
ただ物を右か左かに動かすだけの初級魔法だけど、私は気に入ってる。

結構日常で使ったりするよ?
模様替えとか、いちいち中級、上級魔法を使わないようにスライド使ったり。



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