忘れた
「せーのっ」


あたしは必死で飛んだ。


途中で終わりの合図が聞こえたが、構わず飛んだ。


飛んで、飛んで、飛んで、飛んで。


記録は20回。


最後に引っかかったのは、日下さんだった。


「みんな、ごめんね…」


今にも泣きそうな日下さん。あたしは彼女の元へ駆け寄った。


「大丈夫。みんな気にしてないよ」


そう言って肩を叩くと、日下さんの目から涙がこぼれた。


「東さん、この前はひどいこと言ってごめん」


「いいの、気にしないで」


結果は下から2番目。でも、クラスのみんなは満足していた。


次は、男女混合クラス対抗リレー。


梨沙の出番だ。


この競技は、団同士でも敵意識を持っている。つまりはクラス同士の戦いだ。


「梨沙ーッ! ファイトーッ」


梨沙はにっこり笑ってピースサインをして見せた。

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