サヨナラなんて言わせない
どれくらいの時間が経っただろうか。

長かったのか、それとも一瞬だったのか。


コツコツコツ・・・・


その時こちらに近付いてくる靴音に気が付いた。

視線だけあげてその主を辿る。



その瞬間、全身に震えが走った。

頭の先から足の先まで、激しい電気が駆け抜けるようなそんな感覚に。



何故なのかなんてわかるはずがない。

だが、今目の前に近付いているこの女性と自分には何かある。

本能がそう訴えていた。



彼女を逃がしてはならないと。



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