ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
私は自分では引き留められず、部屋に飛び込み、相良先生を呼んだ。

「相良先生!!康秋君が本当に出て行ってしまいます!!なんとかしてください!!」

「全く」

相良先生と虎さんが部屋から出て康秋君を追い駆けた。

私も二人を追い駆ける。

「待てよ!!?康秋」

「どこに行くんだ?康秋」

「付いてくるなよ!!?」

康秋君は立ち止まって、二人の方を振り返る。

「お前、素顔を晒して…コーガだってバレるぞ」

「いいんだよ・・・」

「電車にでも乗るのか?」

「駅前でタクシーを捕まえるさ」

「明日、仕事だろ?」

「悠兄には関係ないじゃん」

「私がどれだけお前に骨を折っていると思っているんだ?戻るぞ」

相良先生が康秋君からトランクを奪う。

「返せよ!」

「いいから戻れっ!」

相良先生は康秋君の頬を叩いた。

「いてぇ!?力任せに叩くなよ!!・・・俺はアイドルだぞ!!」

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