ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
男所帯の相良家には私の存在が必要とされていた。

私は張り切って、信吾さんと夕食作り。

今夜の食卓は私の肉じゃがと小松菜と豆腐の味噌汁が並んだ。

「この肉じゃが、美味しい」

クラブ帰りでクタクタの有次君がパクパク口に運んだ。

「そんなに急いで食べると、喉詰まるぞ。有次」

相良先生は家でも怒ってばかり。

「悠月は我が家の躾と財政担当なんだ・・・」

「信吾さんが家事担当で、相良先生が躾と財政担当、虎さんは・・・?」

「・・・虎にも何かやらせようか?そうすれば、少しはしっかりするかな?」

「さあな・・・淳之介お前・・・人参も食べなさい」

「人参は嫌い・・・悠兄だって、知ってるじゃん」

「香波姉ちゃんが作った肉じゃがだ。残すのは香波姉ちゃんに失礼だぞ」

香波姉ちゃんって・・・

相良先生に言われるとなんだか妙な気分になる。

「・・・分かった。僕、香波姉ちゃんに嫌われるヤダだから・・・食べる」

淳之介君は目をギュッと瞑り、嫌いな人参にトライした。

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