元、新撰組です





「なんだ、怖気ずいて逃げたとばっかり思ってたのに。僕の勘が外れるなんて、ね」




部屋の中は、えらく明るかった。




その部屋のカーテンが開けられ、窓からソヨソヨと風が流れ込んでくる。それを見てそれでかと一人納得した。




その部屋の壁には、誰かからのお土産だろうか綺麗な飾りやたくさんの写真が貼ってあった。



部屋の真ん中には、紫色のシンプルな座布団が置かれ、その上では黒猫が尾を揺ら揺らとさせていた。




『君が、ここで工事をしていた人を傷つけた妖怪ね』




「なに??倒しにでも来たわけ??」




フワッと猫はあくびをした。そして、座布団から立ち上がり金色の目をギラリと輝かせた。





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