失 楽 園




ベッドに腰掛け、
立ちすくむ姉さんを見上げた。

何を言えばいいのかわからない、
揺れる視線がそう語っていた。

僕は力任せに姉さんを
ベッドに引き倒し、
乱暴に口付ける。


姉さんは身体を強張らせ、
腕を突っ張らせて僕を拒絶した。

息をしようと開いた姉さんの唇に
僕は舌をねじ込み、
姉さんの舌を絡めとり、蹂躙する。


拒否することは諦めたのか、
姉さんの腕は力を無くし、
だらりと下げられた。



それが更に僕を苛立たせた。



「……反抗しろよ、姉さん……」


涙に濡れた瞳が、僕を写す。


「お願いだからさあ……っ」


< 112 / 187 >

この作品をシェア

pagetop