話術師フェイス
真犯人
 結局、劉備が犯人である証拠は最後まで出てこなかったし、ボクの推理も所詮は跡付けによる勘でしかなかった。



 こういうとき、推理小説だったりすると追い込まれた犯人が自供してくれたりして、あっさり解決してくれるのだが、残念ながら犯人が既に捕まったあと。



 劉備は、それから何も言わずボクたちの前から姿を消し去ってしまった。



 後々調べてみたら、弥生さんが暴いた「ヤマモト」という名前も仮名であったらしい。



 結局、彼は逃げ伏せてしまったのだ。



 それが何を意味するのか分からないほど、ボクも馬鹿ではない。



 相手は劉備を名乗るほどの手ダレ。



 思慮も深く、恐れを知らない。



 策士であり、切り替えも早い。



 そんな彼が次に取る行動は何であるのか、深く考えなくても容易に想像がつく。



 すなわち・・・。



 ・・・・・・・・ボクの抹殺・・・・・。



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