話術師フェイス
 だからといって、その日、ボクが相変わらずマルディウスワールドに入ったのは、それを確かめるため・・・という、大それた理由ではなく、ただ単に本当にすることがなかったからである。



 もっと言うならば、本当にボクに平穏な日々が訪れたのかどうかを確かめる必要があった・・・ということも言える。



 万が一、ボクの予想通りだったとしたら当然、事件は解決してないし、三日後には、ボクは殺される・・・。



 それでも、ここまでボクが落ち着いていられるのは、元からボクは自殺願望を持っている『ひきこもり』であり、この世への未練というものをまったく持っていないからだろう・・・。



 これから先、生きていてなんになるというのだろうか・・・・。




 そんな気持ちがボクの中にあるからこそ、この状況を誰にも話さなかったし、コレだけ落ち着いて物事を考えられるようになったに違いない・・・。



 命を天秤に賭けられて初めて力を発揮するとは・・・・。



 ボクも相当の怠け者だな・・・・・・・・・・・。

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