プリキス!!









「……私一年ですし、同い年か年上だと思うんで、ため口で大丈夫ですよ。」


「あ、俺も一年。改めて、西凛一年の高橋智久(たかはし ともひさ)です。」




じゃあタメで話そうかという雰囲気になったけど……。


暫くまたどちらからも喋らないで、気まずくなってしまった。



取り敢えず、なんか話しかけよう。


話題は……そうだな……彼女さんのことでもふってみようか。



せーのっ




「いっつも総長って無表情に近いんだよね。」


「うおっつ……え?」


うん、と高橋君は頷いた。




ああビックリした。

せーので話しかけようとしていたところに高橋君が口を開いたからね。






「行成君と話すときは比較的柔らかいけど、あんなに優しそうなのは初めてみたなぁ。」



うんうんと感慨深そうに高橋君は頷いた。


いや、でもね。



「……優しさがたまに困るんだけどね。」


困るってかうざいっていうか。


そういうと高橋君は苦笑。




「そんな風に言えるのは凄いことなんだよ。

俺、ちょっと感動通り越して気持ち悪かったもん。

総長に最初歯向かってコテンパンにされた先輩方に至っては鳥肌たってたらしいけどね。」






コテンパンに……かぁ。


恵、中学校の時はむしろ文学少年と表現出来そうだったのよ。



だから、本当総長とか、意外だ。


コテンパンにするなんて、強いって事だよね。


あの細い体の何処にそんな力があるんだか。








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