Dear Song
兄とあたしは、小さな頃から音楽と一緒に生きてきた。


それは両親が「音楽」と言う、世界で生きていたからで、、、


2人は兄とあたしのことを、自分たちと同じ世界で生きる人間にしたかったのだろう。


だけど、、、


兄は、そんな両親が「嫌いだ」と言っていた。


親らしいこともしてくれず、自分の価値観を押し付けてくる2人が煩わしい。


そんな言葉たちを、吐いていた。


そんな兄が中学に上がり、そこで出会った仲間と「バンド」と言う、両親が望む「音楽」の世界とは違う、「音楽」の世界へと入って行った。


それを両親が許すはずもなく、大反対した。


だけど、そんな両親の言いなりになるほど、兄は利口な男でも、単純な男でもない。

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