暴走族に恋した私
「…ん、温かい。」
「本当?」
鼻の頭が少しだけ赤くなっている仁を見て、思わず頬が綻んだ。
「よしっ、ストーブ付けよう。」
「そうだな。」
真崎がストーブをつけ、甲斐は真崎の横で私たちを見ていた。
新はどうでもいいような顔をして、パソコンと対峙していた。
ストーブがついたおかげで、地下にある龍王のたまり場の部屋は徐々に暖かくなっていく。
私は手を離して、手袋とマフラーを机に置いた。
「カップルの会話って、独り身にはつらいよねー。」
真崎は口の端をとがらせ、甲斐に文句を呟く。
私が仁と仲直りした時、自分のことのように喜んで「別れなくて、よかった。」って言っていたのが、ウソみたい。
でも真崎って絶対モテるのにな~…付き合わないのか?