暴走族に恋した私


「…ん、温かい。」




「本当?」






鼻の頭が少しだけ赤くなっている仁を見て、思わず頬が綻んだ。






「よしっ、ストーブ付けよう。」




「そうだな。」







真崎がストーブをつけ、甲斐は真崎の横で私たちを見ていた。



新はどうでもいいような顔をして、パソコンと対峙していた。




ストーブがついたおかげで、地下にある龍王のたまり場の部屋は徐々に暖かくなっていく。




私は手を離して、手袋とマフラーを机に置いた。







「カップルの会話って、独り身にはつらいよねー。」






真崎は口の端をとがらせ、甲斐に文句を呟く。



私が仁と仲直りした時、自分のことのように喜んで「別れなくて、よかった。」って言っていたのが、ウソみたい。




でも真崎って絶対モテるのにな~…付き合わないのか?
< 223 / 295 >

この作品をシェア

pagetop