暴走族に恋した私
「ていうか、メアド教えろ。」
「うん。」
私はポケットから携帯を取り出して、赤外線でメアドを交換した。
仁と目が合うと、目を逸らした。
そしてまた仁を見ると、目があった。
仁は目を細め、優しげな顔をしている。
「電話していいから、いつでも。」
静かに私が頷いた。
周りからは、微かな笑い声が聞こえたけど気にならなかった。
「そういえば、今度いつ走る?」
甲斐さんが話題を出した。
甲斐さんの横にいた、赤い髪の男の人がう〜んと唸る。
「ちなみに僕は新です、呼び捨てでいいですよ。」
お、大人っぽい。
私とは大違いだ。