暴走族に恋した私




早く、ここから出たい。



けれど、家の外には見張りの人がいる。


雄也さんの鬼乱というチームの人が、私を見張っている。




私が、逃げないために。




学校だって、行く時も帰る時も送る人や迎えの人が来る。


私は、ここから逃げ出せない。





「由奈……どこだ。」



「雄也さん、ここです。」





雄也さんは目を擦りながら、起き上がる。



そして、手を伸ばして私が来るように催促してくる。


もちろん、行かないわけには行かなくて、その腕の中に入り込んだ。





雄也さんは私を、ギュっと抱きしめる。



離れないように、力強く抱きしめる。






< 9 / 295 >

この作品をシェア

pagetop