神様の憂鬱
変なの、紗良奈ってば。

ゆっくりと立ち上がり、言われるままに部屋を出る。

すぐに扉が閉められた。

大きな音がして、小さな足音が聴こえる。

あーあ、朝から怒ってばっかだね。

ほんと怒りっぽいよ、人間の女は。

それとも、紗良奈が特別怒りっぽいのかな。

ソファーの上に飛び乗って、そんなことを考える。

コーヒーってやつが欲しいなぁ。

黒くて変な味がするやつ。

でも欲しいって言ったら、また怒るかなぁ。

自分でやろうかな。

立ち上がって、昨夜のことを思い出す。

たしか――これで水を温めるんだよね。

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