神様の憂鬱
「コーヒー、もっと飲む?」

空になっていたボクのカップを覗き込み、彼女が言った。

「飲む。いいの?」

「いいわよ別に。コーヒーくらい」

おかしそうにクスクス笑いながら、立ち上がってキッチンへ。

その後姿を眺めながら、紗良奈が描いていた絵を眺めた。

小さな鳥、木々や緑、どこかの風景なのかなぁ。

「汚さないでね」

振り返った彼女が言った。

ボクはうんうんと頷く。

「これって、どこ?」

指差して訊いてみると、

「どこでもないわ」

彼女が言った。

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