お嬢様が男子校⁉︎

桃乃side


彼と別れた後私は三年生のフロアに行きました

…来たのはいいんですが、どうも先輩の教室に行く勇気がありません

やはり、東雲について来てもらうべきでした


ここでウジウジしててもしょうがありません…

今三組から出て来た先輩に東城先輩のことを聞いてみます

「あの…私は、二年四組の桜咲 桃乃と申します、東城先輩…いらっしゃいますか?」

そう質問して、東城先輩が教室にいるかどうかを聞くと、その人は真っ赤になって

「えっ?あ、あぁ優弥なら教室でボールを蹴ってるぜ」

と教えて下さいました

なので

「そうですかありがとうございます、あの…風邪ですか?教室は早めに家に帰って寝てくださいね」

と言いました

えーと…先輩は…

教室のドアの近くで先輩を探していると

あっ、いた!

本当にボールを蹴っています…教室でボール蹴っていたらダメじゃないですか


その時、ボールが顔に向かって飛んできました

「やべっ、あれ⁉︎桜咲⁉︎」

「ひゃっ」

驚きはしましたが、とりあえず目を閉じながらもボールを右手で止めました

「…ふぅーセーフ、大丈夫か?桜咲」

「はい…教室内でボール蹴っちゃダメです」

「はーい」

と言ったそばからリフティングしてますけど

本当に分かってるんですか?

「先輩…」

「あっ、わりーわりー」

頭を掻きながら言いました

「あっ、入部届けです、ちゃんと許可はもらいました」

「おぉーそっか!お前本当に選手でいいのか?マネージャーでもいいぞ?」

そう聞いてきた先輩

「あの…私、初めて間近でサッカーをみたとき、ワクワクしたんです、だからやってみたかったただそれだけです」

そう言って笑うと

先輩も笑って

「そうか、じゃあ預かるな」

「はい、お願いします」


無事先輩に入部届けを提出できたので

顧問の先生に挨拶をしに行こうと思ったんですが


次は顧問の先生がわかりません

隼人くんに聞いてみましょう

たしかまだ教室に残っていたはずです、東雲は部活に行ったようですが

私は階段を上がり自分の教室に帰った

案の定、隼人くんは教室にいました

「隼人くん、サッカー部の顧問の先生って、誰なんですか?」

「矢田ちゃんだよ?」

「ええ⁉︎…すごい偶然ですね、クラスの担任も部活の担任も一緒だなんて」

「うん、僕も最初驚いた」

「ありがとうございました、ごきげんよう」

「ばいばーい」


さて…と、顧問の先生もわかったことなので、知らせに行きましょう


階段を降り、職員室に向かいました


ガララッ

「失礼します、2年の桜咲ですが矢田ちゃ…矢田先生いらっしゃいますか?」

まずいです、いつものくせで矢田ちゃん先生と言いそうになりました

「ほいほーいおるよー入っておいで」

「失礼します」

私は歩いて先生の元に向かった

「どしたー?」

「先生がサッカー部の顧問と聞いて、一応入部届けを提出した事を報告しておいた方が良いかと」

「おーそーかそーか、東城に渡したか?」

「はい」

「じゃいいぞー、お前は今日からサッカー部員だ」

「それなんですが、お婆様から一ヶ月でレギュラーにならなかったらやめなさいと言われたので一ヶ月もつかどうかわかりませんがよろしくお願いします」

私がそう言うと先生の眉毛が下がった

「頑張ってレギュラーになってくれ!」

「なんでそんなに必死なんですか…」

「やっと、男臭ぇ奴らの中に華があるんだぞ⁉︎逃すわけにはいかん!」

どんな理由ですか…引きますよ…

「よくわかりかねますが、とりあえず頑張ってみます、失礼しました」

「おぉ頑張れよー」

そんな先生の声を聞き、グラウンドへと向かった



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