元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー





邪魔者は、絶望すればいいの。
麻里奈だけが、幸せになれればそれでいい。



「…良いこと思い付いたぁ。」


ニヤリ、と口角を上げて笑う。


来龍とあの女が会ってしまったのはとんだ誤算だったけど、嘘泣きすれば皆あの女が麻里奈を突き飛ばしたって信じたしね。ある意味、好都合かもしれないわ。


「ふふっ…」


会ってしまった”誤算”を、”利用”すればいい。みんなは、麻里奈を信じてあの女を疑うに決まっているから。
あの女は来龍や周りの人間から更に信頼を失い、麻里奈はもっと大事にされる。



「待ってなさい、もうすぐ、絶望させてあげるわー…ふふっ」



あぁ、なんて愉快なの。



全部、麻里奈の思惑どおりに。




それまで、私の良い駒であってね?桜ー…





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