Crazy Band 4U
或る春の日の夕暮れ。教室には疎らに人が残り、各々好きなコトをしていた。
或る者は読者を、或る者は宿題を、或る者は友達との会話に興じている。

そんな大半が女子の為にある(偏見)スペースの中に、一人だけ睡眠に興じている男がいた。

何を隠そう、柳楽秀弌その人であった。六時間目の漢文に加え、補習の数学を乗り越えた先は睡眠であった。

春眠暁を覚えず、とは良く言った物だ、彼はこんこんと眠りに落ちていた。


そんな命の睡眠を邪魔するのは、『寅』の一声であった。

「アンタ等、さっさと帰りなさいッ!!!!」
正に寅の一声。
そこに囀ずる様な声も。「そろそろ下校時間です。施錠するので帰って下さい……。」
我等が委員長である。句奈川光希、押しも押されぬ委員長の一声には敵う筈もなく。

柳楽秀弌が寅の一声で頭痛を感じていると、拳が降ってきた。
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