中距離恋愛
そんな夏帆に早瀬先輩が意地悪く言う。
「…どうした?
今頃、俺と付き合っていたこと、思い出した?」

早瀬さんの視線は篠田さんに向けられている。

「…剛と付き合ったら、いつかは俺と会うこともあるって、分かっている よね?」

今度は夏帆をまっすぐに見つめる。
夏帆も早瀬さんを見ていたが、不自然に目を逸らした。

「夏帆。そんなに急いで逸らさなくてもいいじゃん?
俺のこと意識してるのバレバレだよ?」
ニヤニヤ笑って言う早瀬先輩。
夏帆は俯いたまま。

その時、
「……大地。
夏帆につっかかるなよ。お前たちが付き合ってたの知ってて、それでも夏帆を好きになって、俺たちは付き合っているんだから」
夏帆を庇うように、篠田さんが夏帆を抱き寄せながら言った。

篠田さんを見つめる夏帆。
そんな夏帆の頭をポンポンとし、笑顔を向ける篠田さん。
2人の間に、確かな愛を感じた。

「あー、はいはい。
まだ私と早瀬先輩がいるんだから、イチャイチャしないでください。
その代わりに…、篠田さん。今日は夏帆を連れて行っていいので。
1ヶ月会えなくて寂しかったと思うので、たくさん甘えさせてあげてくださいね」
私は篠田さんに言った。

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