中距離恋愛
左紀の予感は当たっていて、夏帆は見知らぬ男に迫られていた。
男から夏帆を引き離し、そのまま手を引いてコンビニまで夏帆を連れてくる。
しかし左紀と飛鳥はいなくて、近くの居酒屋まで行った合流し、事情を説明した。

今日、ストーカーにはきつく言ったから大丈夫だとは思うが、念のため、月曜日からも迎えに行くことを夏帆に言う。
渋っていた夏帆も、剛にOKをもらっていることを伝えたら、
「よろしくお願いします」と頭を下げた。

そうして約束通り、月曜日から保育園まで夏帆を迎えに行き、左紀と住むマンションまで送って行く。

夏帆と2人で歩く、この感じが懐かしい。
5年前に真実を伝えていれば、夏帆を離さないで済んだのかな?
そんな考えが頭を過ぎる。
そして気づく想い。

『今でも夏帆が好きだ』

伝えたい。
この気持ちを伝えたい。
剛の婚約者なのは分かってる。
それでも…
5年前と同じ思いはしたくない。
後悔は、もうしたくない。

強引に、木曜日の夜に食事に誘った。
天然なところがある彼女。
俺の気持ちに気付いているのか、いないのか…


< 284 / 317 >

この作品をシェア

pagetop