おやすみなさい。
さよならの代わりに
「和樹(カズキ)」



呟く。

届かないのに。






「和樹」




なんでと言うのは、あまりに酷だ。

だって分かっていたじゃない。





「和樹」



酷いと言うのはお門違いだ。

だってきっと私の方が酷い。






「和樹」



ねぇ、それでも、いいかな?

酷いって、泣いていい?







「和樹」




届かない声は、一体どこへ行くんだろう。


消えてしまうのかな。

どこかに。





< 1 / 15 >

この作品をシェア

pagetop