さよなら金曜日
オレンジ色の見覚えのある頭。
細い腕と長い脚。
肌は真っ白。
いつもの呑気な顔はなく、
どこか遠い目をしている。
声をかけようにも
なんて言えばいいのかわからない。
それは
彼が今纏っている空気がそうさせるのか、
私自身の問題なのかは
今の私にはわからない。
明るい、
だけどどこか深みのある瞳が私を捕らえた。
「…どうして、こんな所に…」
今まで聞いたことがないくらい
彼の声は小さかった。