CHECKMATE

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その夜、再び千葉のマンションに身を寄せた夏桜。
千葉がお風呂に入っている間に、夏桜は紙にペンを走らせていた。

入浴を終えた千葉が夏桜のすぐ横に来た事も気付かず、夏桜は何やら間取り図とカレンダーのようなモノを記している。

「夏桜、それは何だ?」
「え?………あっ、もう出たの?」
「あぁ、さっき。随分と真剣に書いてるものだから……」
「もうちょっとだけ待ってて?直ぐに書き終えるから」
「………ん」

千葉は夏桜の隣りに腰を下ろした。

再び、書き始める夏桜を横目に千葉は気になっていた事を尋ねる事にした。

「なぁ、俺で良かったのか?」
「へ?」
「お前の相棒」
「………うん。それが妥当だと思ったから」
「後悔しないか?」
「………しない。一輝には申し訳ないけど、他の人を選ぶ事が出来ないと思って……」
「何故だ?」

結局、夏桜は相棒に『千葉』を選んだ。

今までそれでスムーズにこなせていたのだから、それが一番良い選択のように思えた千葉だが、何故か引っ掛かって仕方が無かった。

それは、夏桜が千葉に向けた視線がそう思わせたのである。

「銃の腕前だとか、格闘の腕前だとか……そういう事はよく解らない。皆いい人達だし、人柄で選んだら、本当は誰が相手でも良かったの」
「じゃあ、何が決め手なんだ?」

ペンを持つ手が止まり、千葉の方に身体ごと向きを変えた。

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