秋山…押入れシリーズ~キャア~


新しい嫁は、ホッと胸を撫で下ろした。



これで、秋山家に平和が戻り、一郎と幸せに暮らせると……。




霊媒師は秋山家を背に歩き出した。



「先生、ありがとうございました」




待たれ~ちょっと待たれ~



ワタクシ、人ミソの声は霊媒師には届かず………。




押入れの屋根裏は薄暗かった。




もう一体……残っていたではないか、それはわらで作った人形ではなく、紙で出来た人形………。




これは、初代の嫁が一番最初に、練習用でつくった物だった。



しかし……胸には、しっかりと釘が打ち付けられていた。




ススだらけで汚れていた為に……一郎が人形を引っこ抜いた時、壁の色と見分けがつかなかった……この紙人形。






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