クローバー的恋事情
「企画課に行ってきます」


後ろを通りかかった志田課長に声をかける。


「企画課?なんの用で?」


「伊藤さんから来てくれって、電話があって…。多分パッケージのことだと思うんですけど」


「ああ、そうか。うん、俺も一緒に行こうかな」


「そうしてもらえると助かります」


一人で伊藤さんの相手はしたくないから、志田課長がいてくれると助かる。志田課長が1人で行ってくれてもいいくらいだ。


「伊藤さん」


「ああ、来たか?そっち座ってて…あ、志田課長も来られたんですね」


伊藤さんは志田課長を見て、眉間に皺を寄せる。予想外だったのだろう。


「こちらが出来上がったサンプルです。個装袋はこれでいいと思うので、一種類しか作っていません。こちらでよろしいでしょうか?」


「どれどれ…ほら、萱森さんも」


志田課長が手に取って、渡してくれた。感触は普通のビニールでこれといった特色はない。切り口を使って開けてみる。
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